気持ち良さそうに歌うあの人と霧

気持ち良さそうに歌うあの人と霧

とある真夏の昼。
少年は空き地で、アリの行列が虫の死体を運んでいるところをまじまじと見ていた。
アリ達は一所懸命に働いているのだけど、虫の死骸一つでこんなにも大勢の蟻がいたって、無駄なんじゃないかと、少年は不審に感じた。
少年は、蟻たちを指ではじいたらどうなるかな、という好奇心に駆られた。
しかし、今日は単純に見守ることに決めた。
暑い夏の日だったので、少年の汗が頬を伝い、しずくとしてアリの行列のそばに落ちた。

●<サイト紹介>●

★★