どんよりした平日の深夜は歩いてみる

どんよりした平日の深夜は歩いてみる

「今日の夕食はカレーよ。」
少年はお母さんが言った今のセリフを耳にした途端、思わずニッコリ笑った。
少年は学校から帰って、リビングでダラダラとテレビを見ていたところだった。
今日は西日が強い。
窓際では風鈴がときどき鳴っていた。
アニメチャンネルでは、かつてのなつかしアニメを放映していた。
今日は「一休さん」だった。
こんな頭が回る男の子が今いたら、テストは満点取るんだろうか、と少年は感心していた。
だけど、お鍋からカレーの香りがにおって来たとき、少年は一休さんのことなんて考えてはいなかった。

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★★